ビタミンAには、動物性食品に含まれるレチノール・レチナール・レチノイン酸、緑黄色野菜に含まれるビタミンAになる前の状態のプロビタミンAがあります。プロビタミンAは、体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAとしての作用をするカロテンには、βカロテン・αカロテン・フコキサンチン・クリプトキサンチンなどがあります。
βカロテンはカロテンの中ではビタミンAに変換される効率が良い方ですが、それでも摂取量の1/2程度にしかなりません。
動物性食品に含まれるレチノールは摂りすぎによる過剰症の心配がありますが、緑黄色野菜に含まれるカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換される為、過剰症の心配がありません。
熱や光に弱く、酸化しやすい性質がありますが、ビタミンEなどの抗酸化作用のものと一緒に摂ることにより、安定度が増します。
◎暗い場所での視力を保つ。
レチナールとタンパク質の結合により、ロドプシンと言う物質が網膜の中に出来、これが光の反応を受けて脳に伝える役目をします。
◎皮膚や粘膜を健康に保つ
皮膚の上皮細胞の免疫機能を強化して、病原菌が体内に入るのを防ぐ役目をします。
◎抗ガン作用があります。
◎βカロテンはレチノイドに変化して抗酸化作用を発揮します。
ビタミンAは摂りすぎると過剰症が現れますので、摂取量には注意が必要です。 特に動物性食品からのレチノールは成人で一日3000μgREに留めるべきです。
βカロテンをビタミンAとして変換すると、成分量は1/2になります。
また実際に体内に吸収されるのは1/6程度になります。
つまりβカロテンからビタミンAとしての成分をレチノールと同じだけ摂るには12倍の量が必要となります。
βカロテンから得られるビタミンAの量をレチノールの量に置き換えたものをレチノール当量と呼びます。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2010年版
ビタミンAの国際単位(IU)への換算は、
レチノール0.33μg/ml= 1 IUとなります。
◎疲れやすい
◎夜盲症
◎乾燥眼炎感染に対する抵抗が減る
◎皮膚や粘膜の上皮細胞の異常
◎皮膚炎
◎風邪をひきやすい
◎上腕の外側が鮫肌、鳥肌になる
◎胃腸の吸収力の低下
一日7500μgRE以上の摂取は中毒症状が現れると言われています。 βカロテンは摂りすぎにより、手足が黄色くなる症状が現れますが、それ以上の毒性は認められていません。
多く含まれる食品名 | g | 多く含まれる食品名 | g |
鶏レバー | 5.0g | 豚レバー | 5.4g |
牛レバー | 63.6g | あんこう・きも | 8.4g |
八目うなぎ・生 | 8.5g | うなぎ | 29.1g |
ほたるいか・ゆで | 36.8g | マーガリン | 241.3g |
バター | 500g | 卵黄 | 145.8g |
多く含まれる食品名 | 必要量 | 多く含まれる食品名 | 必要量 |
しそ | 79.5g | モロヘイヤ | 83.3g |
人参 | 92.1g | パセリ | 112.9g |
あしたば | 159.0g | 春菊 | 184.2g |
ほうれん草 | 200.0g | 西洋かぼちゃ | 212.1g |
大根の葉・ゆで | 189.1g | にら・ゆで | 189.1g |
小松菜 | 269.2g | ちんげん菜 | 411.7g |
かいわれ大根 | 437.5g | こねぎ | 368.4g |
あまのり | 19.4g | 岩のり | 30.4g |
あおのり | 50.0g | 乾燥わかめ | 107.6g |
ひじき | 259.2g | 抹茶 | 29.1g |
玉露 | 38.8g | 煎茶 | 63.6g |
βカロテンを多く含むほうれん草の調理は、ビタミンAが脂溶性の為、おひたしよりもバター炒めなどの油を使った料理法の方がビタミンAが溶け出して効率良く吸収することができます。
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