内臓脂肪を燃やすために食事の量や質を抑える時でも、栄養のバランスも一緒に考えることが重要です。
体重を落とす為に、体にとって絶対に必要な五大栄養素を偏った摂り方をすると、体に色々な悪影響が出てきます。
下の図のように一日の栄養摂取量を炭水化物50~60%、脂質20~25%、たんぱく質15~20%の比率で摂るのが理想です。
必ず摂らなければいけない栄養素のことを念頭に置き、上手にメタボからの脱出をめざして下さい。
■ 身体活動レベル別のエネルギー・一日の摂取量 ■
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2010年版
人間が活動するのに必要な土台ともなる栄養素で、炭水化物(糖質+食物繊維)、脂質(脂肪)、たんぱく質の三つがあります。
人間の活動エネルギーの源となるものです。
食事をすると炭水化物は消化されてブドウ糖、ガラクトースなどに分解され小腸から吸収されて肝臓でグリコーゲンとして、一部はブドウ糖として血液中に入ります。
脳細胞や筋肉細胞で使われずに余った血液中のブドウ糖は肝臓と脂肪細胞に戻され蓄えられます。
活動時や空腹時にブドウ糖が不足すると、肝臓のグリコーゲンや脂肪細胞に貯蔵されていた中性脂肪を分解して、血液中にブドウ糖として戻します。
炭水化物を効率良くエネルギーに換えるにはビタミンB1、ビタミンB2を一緒に摂ることが大事で、特にビタミンB1は炭水化物の分解促進にとても役立ちます。
炭水化物の一日の摂取量は成人男子で約200グラム前後必要で、最低でも150グラムは必要とします。
■ 炭水化物・一日の摂取量 ■
(上表、身体活動レベル別のエネルギー・一日の摂取量に対しての割合)
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2010年版
脂質は細胞膜の成分、胆汁酸、性ホルモンの原料となり、無くてはならない物で不足すると血管が脆くなるなどの弊害が現れます。
逆に摂りすぎると内臓脂肪に蓄積して、メタボリックシンドロームの原因ともなる肥満、脂質異常症(高脂血症)、動脈硬化につながります。
脂質には中性脂肪、リン脂質、糖脂質、コレステロール、脂肪酸などの種類があります。 そのうちの中性脂肪が内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積され、エネルギーの貯蔵庫になります。
脂肪酸はL-カルニチンと結合して脳細胞や筋肉細胞のミトコンドリア内に入り、エネルギーとして燃焼され消費されます。
脂肪酸の形には飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価脂肪酸の3つの形があり一日の摂取量の比率は3:4:3の割合で摂ることが推奨されています。
■ 総脂質・一日の摂取量 ■
(上表、身体活動レベル別のエネルギー・一日の摂取量に対しての割合)
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2010年版
人間の体のあらゆる部分を作る材料となっているのがたんぱく質で、体を構成する成分としては水分に次いで2番目に比率が多く18%前後を占めます。 そう言う点から人間の体は水とたんぱく質で出来ていると言っても過言ではありません。
たんぱく質は1gあたり4Kcalのエネルギーを得ることができますが、エネルギーとして利用されるのではなく細胞を作るのに利用されます。 三大栄養素の中でエネルギーとして利用されるのは、炭水化物と脂質が中心となります。
体の細胞は常に作り換えられ新しい細胞となりますので、食べものによりたんぱく質からアミノ酸を補給します。
たんぱく質の摂取量が多く余った場合は糖質、脂肪として蓄えられます。
たんぱく質は24種類のアミノ酸から成り立っています。
アミノ酸には体内で作ることができず、食べ物などから取り入れなけならない9種類の「必須アミノ酸」と体内で作ることが出来る15種類の「非必須アミノ酸」の二つのグループに分けることができます。
■ たんぱく質・一日の摂取量 ■
厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2010年版
たんぱく質の一日に摂取量は成人男子で70グラム程度必要とします。 たんぱく質が不足すると細胞の再生産が出来ず、筋肉量が減って基礎代謝が下がってしまい、その結果エネルギーの消費量が少なくります。
上手に内臓脂肪を少なくするには、たんぱく質を過不足なく摂ることによって基礎代謝を高め、エネルギー消費量を増やすことが上手な方法です。
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